生活再建支援相談

相談事例「生活再建支援相談窓口あれこれ」

北大阪地域労福協     80.生活再建支援相談窓口あれこれ 〔№5〕 (05.12.27)


多重債務と夫婦の危機

失業率と離婚率との相関関係は統計上も顕著です。失業率が上がれば、離婚率も上がり、失業率が下がれば、不思議に離婚率も下がっています。「お金の切れ目が縁の切れ目」になっているようです。多重債務と離婚も深い関係にあります。相談に来られる方は、既に離婚されておられるか、これから離婚されようとしているケースが多く見られます。中には、弁護士による債務整理が一段落すれば離婚予定との律儀なケースもあります。

 今回の事例は、夫婦の危機が最高潮にまで高まった段階で相談に来られ、最後には家族の絆を再確認することが出来たようです。

借 入 先 残  高 返済額
消費者金融 A社 362万円 70,000円
消費者金融 B社 78万円 22,000円
住宅金融公庫
住宅ローン・銀行
2952万円 42,000円
合    計 3392万円 134,000円

 最初は、夫の多重債務についての妻からの相談でした。夫が勝手に多重債務を背負い込んだこと、自分がいないとき子供を早く寝かしつけて、出会い系サイトにはまり込んでいることなどを激しく非難しました。

 次回は夫婦一緒に来るように行ったところ、2回目は、多重債務の経過をめぐって、人目はばからぬ夫婦間の激しいやり取りとなりました。大学受験を間近に控えた思春期の子供を抱えていることを指摘し、夫婦間は勿論、子供を交えた家族間での話し合いを強く勧めました。

 それから1週間、3回目の直前に、妻から「私がいたのでは、あの人は本当のことを言いにくいと思うので、一人で行ってもらいます」と、電話があり、それは始めて「夫に対する妻としての配慮」が見えた瞬間でした。  3回目は、夫は自分で書き上げたB4の用紙 3枚に及ぶ「多重債務に至った経過報告」を持参しました。 膨大な経過報告の後、最後は次の言葉で終わっています。  「妻の真剣な顔を正面から見て、本当のことをすべて打ち明けてよかったと思います。私にはやはり家族が一番大切なものであることを思い知らされました。今後はローンの利息のために働くのではなく、家族のために働きたいと思います。」と結んでいました。

 債務整理は、定期的な収入が一定見込まれ、受験生を抱えていることなどから、住みながら整理の出来る民事再生法を選択しました。 消費者金融2社440万円は100万円に、毎月返済9万2千円は2万8千円に削減されることになりました。