お知らせ
第16回なにわ美術展を開催
2019-03-01
2019年3月29日更新
第16回なにわ美術展を開催
「描く歓び、観る楽しみ」をテーマとする第16回なにわ美術展は、232作品の出品があり、3月1日(金)〜6日(水)まで6日間の会期で、エル・おおさか(9・10階)で開催され、約1,000名の来場者のもと無事終了しました。
会期前日の2月28日には審査員による審査が行われ、優秀賞8作品、奨励賞15作品、佳作5作品、入選5作品が選ばれ、3月4日(月)に表彰式が開催されました。
来年は、2020年3月6日(金)〜11日(水)の会期で、第17回なにわ美術展を開催する予定です。お楽しみに!
栄えある優秀賞に輝いた作品は、次のとおりです。
入賞者一覧
第16回なにわ美術展 入賞者一覧
優秀賞 | 大阪府知事賞 | 小林 隆さん | 潮騒 |
---|---|---|---|
大阪市長賞 | 福島 京子さん | 森の生 | |
堺市長賞 | 馬場 幸邦さん | 匠(鉋職人) | |
なにわ美術展賞 | 大良 喜美子さん | 雨上がりの街 | |
大阪労福協会長賞 | 樫葉 敏子さん | 広場のカフェ | |
大阪労働協会理事長賞 | 水野 蔦子さん | 古里の廃屋 | |
近畿労金大阪地区本部長賞 | 楢本 宮子さん | 野菜 | |
全労済大阪推進本部長賞 | 岡本 太志さん | 漁船 | |
|
江森 英彦さん | ふる里 | |
西田 正義さん | それぞれの日々 | ||
狩山 博臣さん | 春の竹薮 | ||
大日 弘江さん | 傾く向日葵たち | ||
北口 寿子さん | 箍(たが) | ||
野間 房枝さん | みどりごのいる部屋 | ||
大西 啓子さん | 時の流れ | ||
中村 公子さん | 舞鶴倉庫 | ||
上平 祥さん | 支える(土留鉄板) | ||
後藤 多喜子さん | 鎖びた壁(浮きドック) | ||
原田 昭二さん | 台風21号のあと | ||
浅田 登志江さん | 川の向こうは・・・ | ||
的場 嶺子さん | 万緑萌ゆ | ||
小川 仁さん | 帰路(パキスタン) | ||
原 昭弘さん | 原風景 | ||
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吉原 幸和さん | 大分臼杵石仏の旅 | |
野山 勝起さん | 酔 | ||
服部 順子さん | 美ら海 | ||
竹内 慶吉さん | リサイクル出来ませんか | ||
岡 緑郎さん | 巨龍晩秋(池島炭鉱) | ||
|
安彦 博之さん | そよ風 | |
池田 圭子さん | 大好きだった祖母 | ||
杉本 久美子さん | 今年もまた・・・ | ||
大西 正貢さん | 秋の鞍馬川 | ||
吉村 清一さん | 想い出 |
第16回なにわ美術展 優秀賞受賞 喜びの声
大阪府知事賞 | 小林 隆さん |
今回のモチーフは、娘家族がいる鳴門の漁港です。
行くたびに防波堤とその向こうに見える橋や山並に魅せられ、時々スケッチします。
しかし、港のコンクリートの壁は街のコンクリート壁と違い、潮風や波を浴び、重厚な色あいで、絵を描く挑戦意欲をかきたててくれます。最初、防波堤は横に伸びていますので、キャンパスを横にして描きましたが、完成した絵は壁の質感が乏しく、再度壁をズームにして縦で描いたのが今回の作品です。
思いがけない知事賞を頂き、とても励みになりました。
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大阪市長賞 | 福島 京子さん |
この度は大阪市長賞をいただき、ありがとうございました。
この“森の生”は朽ちてゆく切株とそのそばで草木が芽吹き、また森は続いていく、そんな生命のつながりが美しいと感じ、描きました。
日頃から美しい色の絵を描きたいと思っていました。
賞をいただいた事で、これからも“自分らしい絵”を描いていきたいと思います。
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堺市長賞 | 馬場 幸邦さん |
この度は堺市長賞を受賞し、大変光栄に思っています。
私は第1回から出品しており、モチーフは匠、働く職人さんや子どもさんを描いてきました。
思いは①問題意識、②生活感、③社会的背景を常に考えて制作してまいりました。
今回の受賞は、その考え、描き方を認めていただいたと、改めて自信を深めました。
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なにわ美術展賞 | 大良 喜美子さん |
昨年に引き続き、大きな賞をいただき感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。
普段の生活の中で「わ〜、綺麗」と感動したものをキャンパスに表現したいと自分なりに悩み、楽しんでいます。
今後も自身の世界観を大切に、楽しく描いてまいります。
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大阪労福協会長賞 | 樫葉 敏子さん |
入賞作品に選んでいただいてありがとうございました。
日頃、肩の力を抜いて描きたいと思っているのですが、なかなかそうは出来ずにいます。
今回、旅先の写真を拡大コピーしましたら、プリンターの調子が悪く、あちこちに欠落した思いがけない景色が出てきました。ケガの功名で力まずに描けたと思います。
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大阪労働協会理事長賞 | 水野 蔦子さん | 平成の世もあと少しとなり、「昭和」も遠くなりました。限界集落が増えています。懐かしい里を訪ね、生活をしていた人々の思いを感じながら、絵筆を握りました。 |
近畿労金大阪地区
本部長賞
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楢本 宮子さん |
ここ数年の間に身内二人を突然に亡くし、暗くふさぎ込んでいた時、絵の友人が我が家に来てと招待され、そこには絵の仲間たちがいた。さりげない気遣いがとてもうれしく、これからは前向きに生きようと思いました。
「野菜」の絵は後に描き、なにわ美術展に出品しました。新聞は今までに何度も描いています。ありがとうございました。
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全労済大阪推進本部長賞 | 岡本 太志さん |
尾道の漁港で生まれ育った私にとって、漁港や古い木造船は懐かしくもあり、ノスタルジックな気持ちにもなり、元気を与えてくれるモチーフになっています。
10数年、仕事の関係で大阪を離れていて、なにわ展への出品は一昨年より復活しました。
今回、第1回なにわ展で「泉佐野漁港」で優秀賞を頂いて以来、再び優秀賞を頂くことができました。ありがとうございます。
本美術展が益々盛況になることを祈念致しております。
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作品に対する講評
第十六回なにわ美術展
自由美術協会会員 古川 邦彦
自由美術協会会員 古川 邦彦
概評
この度は第16回なにわ美術展は、出品総数232点(招待作品1点含む)で、昨年を10数点、上回りました。
その中で、大阪府知事賞に輝いた、小林隆「潮騒」の、重量感溢れる優れた描写力作品。美しい色彩感覚で、切り株を描いた福島京子「森の生」。働く職人の、一瞬をとらえた、馬場幸邦の匠「鉋職人」。
「雨上がりの街」を、水彩で描いた、大良喜美子の、手慣れた描写が、目に付いた。
そして、樫葉敏子「広場のカフェ」の、ユニークな世界感。水野蔦子の、廃屋を愛情深く水彩で描いた「古里の廃屋」。楢本宮子の野菜と新聞紙のコントラストの面白さを描いた、「野菜」。陸上の漁船を画面構成的に捉えた、岡本太志の「漁船」。里の風景を堅牢に描いた江森英彦の「ふる里」。まるで、バベルの塔を想起する様な、西田正義「それぞれの日々」。水彩画の妙が冴える狩山博臣の「春の竹藪」。枯れ行く向日葵を、味わい深く描いた、大日弘江の、日本画「傾く向日葵たち」。北口寿子が、卓越した、描写力で描いた「箍(たが)」。何気ない日常を、愛情深く描いた、野間房枝の「みどりごのいる部屋」古い土塀を描いた大西啓子「時の流れ」の描写力が、際立つ。中村公子「舞鶴倉庫」の重厚な描写がそれに続く。上平祥「支える(土留鉄板)」も堅牢な画面構成と描写に安定感がある。後藤多喜子の、「鎖びた壁(浮きドック)」も頑丈な画面に描写力が相まって魅力的。原田昭二の「台風21号のあと」は普段の渓流の水とは、一味違う水を描いていて、興味深い。浅田登志江「川の向こうは・・・」は、高架下の水辺風景を水彩で、見事に描写しているし、的場嶺子「万緑萌ゆ」は、描き手の感動が、見る者に伝わってくる様に思えてくる。小川仁「帰路(パキスタン)」は、日本画特有の魅力ある画面になっていて、秀作。原昭弘「原風景」は、色彩豊かな気品のある作品になっている。吉原幸和「大分臼杵石仏の旅」はグレーが美しく、秀逸。野山勝起「酔」は、下町風景に、親愛込めて描いている。服部順子「美ら海」は、海底世界が色彩豊かに表現されているし、竹内慶吉「リサイクル出来ませんか」は、日常見過ごしそうな、廃棄物を根気強く描いている。岡緑郎「巨龍晩秋(池島炭鉱)」は郷愁を、ドラマチックに描いている。安彦博之「そよ風」は、穏やかに、風景を描いているし。池田圭子「大好きだった祖母」は、祖母への愛情が伝わってくる様だ。杉本久美子「今年もまた・・・」は、桜の木の幹の描き方が好評だったし。大西正貢「秋の鞍馬川」平凡な風景を堅実に描いている。吉村清一「想い出」はモノトーンで、しゃれている。
以上、これ以外にも優れた作品が、たくさんありましたが、氏名は割愛させていただきました。今後も、現状に留まらず、ご自分の世界観を追求されることを期待しています。
(敬称略)
平成31年3月3日
大阪労働者福祉協議会 なにわ美術展事務局
〒540-0031
大阪市中央区北浜東3-14
エル・おおさか(大阪府立労働センター)4F
TEL 06-6943-6025 FAX06-6943-5347
メール osakarofukukyo@yahoo.co.jp
〒540-0031
大阪市中央区北浜東3-14
エル・おおさか(大阪府立労働センター)4F
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