生活再建支援相談窓口あれこれ<第8回>
北大阪地域労福協
146.生活再建相談窓口あれこれ [№8] (07.5.8)
無理してサラ金に返済を続けているあなた
破綻する前に任意整理を一度検討して見ては ?
貸し金業法43条の「任意に支払った場合の みなし弁済」の条文を事実上無効、とした平成18年1月の最高裁判決以降、利息制限法を超える利息と過払い金について、弁護士の請求に対して、比較的スムーズに業者が対応するようになりました。 よって、長期のサラ金利用者については、法的整理より、費用、手続きの簡単な任意整理を考えてみてはいかがでしょう。取引状況にもよりますが、目安として、5から6年以上のサラ金との継続的な取引があれば残債務ゼロか利息過払いが考えられます。
借入残高
| 毎月の返済額
| |
サラ金 8社
| 400万円
| 13.5万円
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銀行ローン
| 100万円
| 2.0万円
|
住宅ローン
| 1000万円
| 6.5万円
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Aさん(独身) サラリーマン (37歳) 月収 32万円 (手取り)
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お母さん 国民年金 (61歳) 月収 5万円 (手取り)
|
Aさんが多重債務で来訪された時の生活状況は上記の通りです。
Aさんは母子家庭のため高校卒業後すぐ就職しましたが、もっと勉強したいとの思いが断ちがたく、会社に行きながら大学進学しようと決意しました。しかし入学金等の用意が出来ず、平成9年にサラ金5社から150万円を借り入れたのが、サラ金利用のきっかけです。その後はご多分にもれず手軽に借入が出来る事から、返済金を他社の借入金で補っていく形になり気がつくと現在のような状態になってしまった、との事でした。また、心配をかけてはいけないと思い、母親に内緒にしていたのも債務を大きくした原因になっています。(先ず、母親にはすべて打ち明けるよう 助言)
Aさんは現在住宅ローンを含めて毎月22万円の返済をしているので、生活費は15万円(母の年金も含めて)しか残らないうえ、サラ金の残高は一向に減らない状況でした。年齢的にも近々結婚したいと思っているが、こんな状況ではとても結婚などできない、と悩んでいました。
債務整理の方針を立てるにあたって、
- サラ金の中に8年以上前からの借り入れがあり利息制限法で再計算すれば大幅に減額が期待できること
- Aさんの収入が安定しているなどを考慮して、サラ金8社について弁護士の任意整理をする事にしました。
その結果、サラ金の債務残高は120万円に減額され、毎月7万円の返済(早期返済を希望)で、1年半で完済出来る事になりました。なお、母親に立替てもらった弁護士費用についても、弁護士からの「過払い金返還請求」による返還金により充当することができました。
この結果、住宅ローンを含む毎月返済金総額は15.5万円に減額できました。
(生活費充当可能分 21.5万円に)
この結果、住宅ローンを含む毎月返済金総額は15.5万円に減額できました。
(生活費充当可能分 21.5万円に)